世界は激動の時代を迎え、グローバル化、戦争、テロリズムなど未曾有の大問題を前にして、ある種のペシミズムを感じさせさえしている。この雰囲気をわずかばりでも克服することができるとしたら、ささやかではあるが、われわれの研究や教育をつうじて、こころの通う人間交流をすることをおいてない。

　ウィーン大学政治学研究室のペーター・ゲーリッヒ教授は、過去10年にわたって毎年ご自身の政治学ゼミナールにおいて、参加学生とともに特定の国をテーマとして１学期間、集中的な研究調査を行い、学期末に当該国を訪問し、当該国の共通の関心をもつ大学のゼミナールと議論をし、互いの意見の開陳、互いの差異を確認しあうことを正規の授業として実践されてこられました。

　ヨーロッパ諸国のみならず、2002年度には中国北京大学においても交換セミナーを実施されました。永くオーストリアおよびウィーン大学から多くを学ぶ機会を得た発起人が、このゲーリッヒ教授の理念と実践に感銘を受け、2003年度は、すでに学術交換交流を締結している早稲田大学において、日本とオーストリアの学生の交流と交換を実現すべく準備を引き受けました。

　これまでゲーリッヒ教授のゼミナールはウィーンから対象国へ行くとともに、後半の学期には対象国からウィーンへの招聘も行ってこられました。この厚みのある共同セミナーは、今後の大学教育のひとつの方法の雛形ともなるべくものであり、2003年度のみならず、恒常的に組織化をしていきたいと考える必要のあるものです。

　若い世代が国を超えて、同じテーマについて、それぞれの見方から語り合うことは、21世紀を担う前途有望な人間育成に多大な貢献をするものであります。

　ここに、早稲田大学文学学術院　森　元孝研究室は、個人篤志家の拠出資金により組織委員会を設立し、この目的をはかろうとするものであります。

2002年9月

設立発起人　森　元孝（早稲田大学教授）

　　　　　　ビルギット・クラウサー
　　　　　　　　　　（ウィーン大学・オーストリア連邦政府社会安全世代省）

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組織委員会の概要

名称　　早稲田大学・ウィーン大学　学生交流交換セミナー組織委員会

所在地　〒162-8644 東京都新宿区戸山１丁目24番１号

　　　　早稲田大学文学学術院　森　元孝　研究室

　　　　電話　03-5286-3663

　　　　電子メイル [email protected]

連絡先　同上

目的　　ウィーン大学と早稲田大学、両校学生の恒常的な学生交流のための支援

設立　　2003年９月20日

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委　員

委員長　　森　元孝（早稲田大学文学学術院教授）

副委員長　ビルギット・クラウサー
　　　　　　　　　（ウィーン大学講師・オーストリア政府社会安全世代省）

顧問　　　ペーター・ゲーリッヒ（ウィーン大学政治学科教授）

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