2017年度 秋学期 で終了しました。
科目名 文化構想学部 選択基礎演習 13
副題 社会科学方法論入門 ―ナショナリズムを超える
授業概要
現代の問題を、深い思想に根付いた社会科学者の視点に立ち返り、身につけながら学んでいく。東アジアの政治状況はきわめて深刻な各国の偏狭なナショナリズムの対峙状況にある。他方で東アジアの経済状況は一国ナショナリズムが完全に不可能な有機的な状況にある。このパラドクシカルな関係を、どのように私たちは見て、次の10年、さらに20年を生きていくことができるかを考えていく。
主要には、高校生の時に『現代国語』、「国語現代文」なる勉強のための勉強で読んだことのあるだろう、丸山真男を読みながら、今ひとつ彼のいわゆる社会科学的素養の軸のひとつであるマックス・ウェーバーに触れながら、これから4年間、早稲田大学文化構想学部で大いに学んでいく、みなさんの学問的素養の基礎を作りたい。それと並行しながら、近年、日本およびその周辺で起こる諸事象について、主に新聞記事・論説を取り上げながら、みなさんの自説展開のトレーニングをしていく。授業の到達目標
日本の大学で言われる「社会学」という、きわめて偏狭な意味での学問ではなく、マックス・ウェーバー、ゲオルグ・ジンメル、ユルゲン・ハーバマスなど、哲学、思想、文学、芸術まで、きわめて広い領域にまで見渡すことができる素養を身につけるためのきっかけをつかんでもらう。
教科書
丸山眞男『忠誠と反逆』ちくま学芸文庫。
マックス・ウェーバー『職業としての学問』岩波文庫。
マックス・ウェーバー『職業としての政治』岩波文庫。
これら4冊は、教科書として必携。受講者は、自前のものが必要である
参考文献
宮村治雄『丸山真男「日本の思想」精読』岩波現代文庫。
丸山眞男『福沢諭吉の哲学』岩波文庫。
加藤典洋『日本の無思想』平凡社新書。
森 元孝『亀裂の弁証法 ―現象としての石原慎太郎』東信堂。
関連URL
http://www.f.waseda.jp/wienmoto/