封じこめられた時間

 400字詰原稿用紙580枚にもなる超大作。Talcott Parsonsの遺作でもある"A Paradigme of the Human Condition"徹底的に緻密に読み込み、パーソンズの社会システム理論の根本的論理構造を明快に示した作品。とくに、AGIL図式は、パーソンズ自身が示した2×2の形式ではなく、3+1の論理学として構成されてきたと見なければならないとし、パーソンズが、つねに剰余としてのこる+1の内容、パーソンズによれば、Lの機能(Latant Pattern Maintenac)の内容をつねに先送してきたことを指摘。そして、この内容を時間の問題として解決せねばならなかったことを見とおした。著者は、大阪大学大学院で博士号を得て、現在、神戸市外国語大学で社会学を講じている竹中均先生である。