パンにみる日本人事情

 これは、小田光男著『<郊外>の誕生と死』(青弓社)を思わせる関心で、昔ながらの「パン屋さん」がいつの間にかなくなり、「食パンメーカー」、さらにコンビニエンス・ストアの一角をになうようになった食パン製造メーカーを、いろいろな種類のパンの生成史を織り交ぜながらまとめた好論。上の有名な本が出る前に、パンに着目してまとめたところに、この著者の優れた視点を、今も感心している。